ここでは、CFD取引における価格調整額・金利調整額・配当相当額を徹底解説しています。
FXでスワップポイントが発生するように、CFD取引では各種調整額が発生。プラスになる場合もあればマイナスになる場合もあります。
「CFDに興味があるけど価格調整額や金利調整額が意外とかかりそうで不安」「そもそも各種調整額がよく分からない」という方は少なくないのでは。
各種調整額の適用は銘柄によって異なるのはもちろん、業者によってもルールや割合などが違ってきます。
当記事ではGMOクリック証券やIG証券、楽天証券などにおける調整額のルールを解説。各社における調整額の確認方法も紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
価格調整額・金利調整額などの発生ルール一覧表
最初に、日経225やNYダウなどの株価指数、金(ゴールド)、WTI原油を対象として、各社の調整額がどのようなルールになっているかを、一覧表にまとめました。
特定の価格調整日をまたいだ場合に調整額が発生する場合もあれば、日をまたいでポジションを保有すれば日々調整額が発生する場合もあります。
CFD取扱業者 | 株価指数(日経225やNYダウなど) | 金(ゴールド) | WTI原油 | 公式サイト |
---|---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 価格調整日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利差調整額が発生 | 価格調整日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 詳細 |
IG証券 | 日をまたいで建玉を保有した場合にファンディングコストが日々発生+配当落ち日に配当金調整額が発生(※1) | 日をまたいで建玉を保有した場合にファンディングコストが日々発生(※1) | 日をまたいで建玉を保有した場合にファンディングコストが日々発生(※1) | 詳細 |
楽天証券(楽天CFD) | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生+金利付最終日に配当相当額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 詳細 |
楽天証券(楽天MT4CFD) | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生+金利付最終日に配当相当額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 詳細 |
OANDA証券 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生+配当日に配当相当額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生 | 詳細 |
ヒロセ通商 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生+配当金・分配金の権利確定日に権利調整額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 詳細 |
SBIネオトレード証券 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生+配当金・分配金の権利確定日に権利調整額が発生 | ー | ー | 詳細 |
GMO外貨 | 価格調整日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生 | 価格調整日をまたいで建玉を保有した場合に価格調整額が発生 | 詳細 |
外為どっとコム |
価格調整日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生+配当金権利付最終日の取引時間終了時点に建玉を保有した場合に権利調整額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利調整額が発生 | 詳細 |
マネーパートナーズ | ー | 日をまたいで建玉を保有した場合にスワップポイント(リースレート+オーバーナイト金利)が発生 | ー | 詳細 |
ゴールデンウェイ・ジャパン | ー | 日をまたいで建玉を保有した場合にスワップポイントが発生 | 日をまたいで建玉を保有した場合にスワップポイントが発生 | 詳細 |
インヴァスト証券(トライオートCFD) | 日をまたいで建玉を保有した場合に金利相当額が発生+配当金発生時に配当相当額が発生 | ー | ー | 詳細 |
(※:「ー」は該当銘柄の取り扱いがないことを表します)
(※1:IG証券には期限なし銘柄と期限あり銘柄(先物)があり、期限なし銘柄ではファンディングコストが発生しますが、期限あり銘柄の場合はファンディングコストは発生せず、金利調整額などはスプレッドに含まれます)
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価格調整額・金利調整額などのルールは業者によって違う
日経225やNYダウの株価指数CFD、金や原油の商品CFDなどは複数の業者で取り扱われていますが、調整額に関するルールは業者によって異なります。
例えば、GMOクリック証券では株価指数に対して、業者が定める価格調整日をまたいで建玉を保有した場合にかぎり、価格調整額が発生します。ですので、その日をまたぐ以前に決済すれば、価格調整額が付与されないことになります。
一方で、IG証券の株価指数CFDの場合は、日をまたぐごとにファンディングコスト(オーバーナイト金利)が発生し、配当落ち日には配当金調整額が発生します(株価指数先物CFDを除く)。
また、楽天証券も日をまたいで建玉を保有した際に、金利相当額が発生。これに加え、金利付最終日には配当相当額が発生します。
当記事ではGMOクリック証券・IG証券・楽天証券・OANDAを対象として、各種調整額のルール概要と調整金額の確認方法の解説も行っています。そちらもご参照ください。
価格調整額・金利調整額などの確認方法について
次に、「各種調整額の確認方法」と「データ掲載ページ」を業者ごとにまとめました。GMOクリック証券は会員ページで確認可能、IG証券は取引履歴で確認可能、楽天証券は公式サイトでどなたでも履歴を確認可能、といった対応です。
公式サイトにて調整額の履歴を公開している業者に関しては、「データ掲載ページ」の欄にリンクを貼っていますので、気になる方はそちらをご確認ください。
CFD取扱業者 | 各種調整額の確認方法 | データ掲載ページ | 公式サイト |
---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 会員ページの建玉一覧などで発生金額を確認可能、過去履歴も会員ページで確認可能 | 取引ツールで確認 | 詳細 |
IG証券 | 発生した調整金額は取引履歴から確認可能 | 取引ツールで確認 | 詳細 |
楽天証券(楽天CFD) | 取引ツール(iSPEEDアプリ)内の各銘柄の詳細画面で確認可能 | 取引ツールで確認 | 詳細 |
楽天証券(楽天MT4CFD) | 公式サイト上で各種調整額の履歴を確認可能 | 金利・価格調整額 配当相当額 |
詳細 |
OANDA証券 | 公式サイト上で各種調整額の履歴を確認可能 | ファイナンシングコスト(株価指数) 配当カレンダー(株価指数) ファイナンシングコスト(商品) |
詳細 |
ヒロセ通商 | 公式サイト上で各種調整額の履歴を確認可能 | 調整額一覧表 | 詳細 |
SBIネオトレード証券 | 公式サイト上で各種調整額の履歴を確認可能 | 調整額付与実績 | 詳細 |
GMO外貨 | 取引画面上で各種調整額の履歴を確認可能 | 取引ツールで確認 | 詳細 |
外為どっとコム |
公式サイト上で各種調整額の履歴を確認可能 | 金利調整額 権利調整額 |
詳細 |
マネーパートナーズ | 公式サイト上でスワップポイントの履歴を確認可能 | スワップポイントカレンダー | 詳細 |
ゴールデンウェイ・ジャパン | 公式サイトのリアルタイムレート画面で直近のスワップポイントを確認可能 | リアルタイムレート | 詳細 |
インヴァスト証券(トライオートCFD) | 公式サイトのマーケット情報内のCFD金利配当相当額カレンダーで確認可能 | マーケット情報 | 詳細 |
(※:「データ掲載ページ」の欄に記載しているリンクをクリックすると、各社の公式サイトの履歴掲載ページに飛びます)
各社の調整額のルール・確認方法を個別に解説
GMOクリック証券のルール・確認方法
調整額に関するルールについて
GMOクリック証券では銘柄ごとに「価格調整額」「金利調整額」「権利調整額」が発生し、それぞれが発生する銘柄は上記のように分類されています。
日経225やNYダウなどの株価指数先物、原油や天然ガスなどの商品先物の場合は、価格調整額が発生します。これは、限月交代に伴って発生するもので、参照している先物銘柄が期近から期先へと交代し、その価格差を調整するためのもの。
GMOクリック証券の場合、同社が定める価格調整日の取引終了時点でポジションを保有していた場合に、この価格調整額が発生します。
つまり、価格調整日の取引終了時点までにポジションを決済していれば、価格調整額は発生しないということになります。価格調整日は会員ページ上で確認可能。
金スポットと銀スポット、ETF、外国株などでは金利調整額が発生します。カバー取引の際の金利負担に基づいて発生する調整額。
金利調整額は価格調整額とは異なり、取引時間終了時点でポジションを保有し続けた場合、日々発生します。
外国株などのCFD取引では、配当金や分配金の支払い、コーポレートアクションが実施された際に、権利調整額が付与されます。買いポジションを保有している場合はプラス、売りポジションを保有している場合はマイナスの権利調整額。
GMOクリック証券における価格調整額・金利調整額・権利調整額に関しては、同社の公式サイトでも詳しく解説されていますので、そちらもご参照ください。
調整額の確認方法について
保有ポジションに対して発生した各種調整額は、PC会員ページの建玉一覧や電子書類閲覧、スマホアプリの口座残高で確認できます。
各種調整額の過去データはPC会員ページから確認が可能。
会員ページの「インフォメーション」をクリック。
インフォメーションの画面内にある「価格調整額」の一覧表にて、右下にある「履歴一覧」から、価格調整額の過去データを閲覧できます。
同じくインフォメーション画面内にある「金利調整額カレンダー」の項目より、金スポットや外国株などの金利調整額を検索・閲覧できます。
インフォメーション画面内では権利調整額の一覧表も確認可能です。ただし、ここに表示されている情報は、発生日が前後1ヶ月以内の銘柄となります。
スマホアプリ内では過去データの閲覧はできませんが、直近の調整額や次回発生予定日の確認はできます。銘柄一覧画面の「info」ボタンをタップすればOK。
IG証券のルール・確認方法
調整額に関するルールについて
IG証券の株価指数CFDでは、日をまたいでポジションを保有した場合に「ファンディングコスト(オーバーナイト金利)」が発生します。日本時間7:00(夏時間6:00)を超えて保有し続けた場合に日をまたいだと判断されます。
ファンディングコストは「ロット数」×「1ロットの取引額」×「計算時の当該株価指数CFD価格(中値)」×「適用金利(年利)」の計算式で算出されます。
IG証券の株価指数CFDでは配当金調整額も発生し、こちらは構成銘柄の配当落ち日(特別配当落ち日を含む)にポジションを保有している場合に生じます。配当金調整額は、買いポジションに対してはプラス、売りポジションの場合はマイナスとなります。
また、株価指数CFDではファンディングコストと配当金調整額が発生しますが、同社の株価指数先物CFDに関してはこの2種類の調整額は適用されません。
IG証券における金や銀の貴金属スポットCFD取引では、日本時間7:00(夏時間6:00)をまたいでポジションを保有した場合に、ファンディングコストが日々発生します。
また、IG証券には「期限なし」と「期限あり」の商品銘柄が扱われているのですが、ファンディングコストが適用されるのは前者。後者の期限ありは先物CFDであり、金利調整額などはスプレッドに含まれるかたちとなります。
IG証券の各種調整額に関する詳細は、同社公式サイトの情報もご参照ください。
調整額の確認方法について
IG証券ではファンディングコストなどの過去データは公開されていません。実際に取引を行い、日をまたいでポジションを保有した場合であれば、取引履歴にて発生したファンディングコストなどを確認可能です。履歴は会員ページ(My IG)から閲覧できます。
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【株価指数】NYダウ・S&P500・ナスダック100・日経225
【コモディティ】原油・天然ガス・金・銅
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楽天証券(楽天MT4CFD)のルール・確認方法
調整額に関するルールについて
楽天証券(楽天MT4CFD)は株価指数・商品銘柄に対応しており、それぞれ上記のような調整額が設定されています。「金利相当額」「価格調整額」「配当相当額」の3種類。
金利相当額と価格調整額は、日をまたいでポジションを保有した場合に、日々発生することとなります。配当相当額は権利付最終日にポジションを保有していた場合に発生。
配当相当額に関しては、買いポジションを保有している場合はプラス、売りポジションを保有している場合はマイナスの金額が生じます。
調整額の確認方法について
楽天証券(楽天MT4CFD)では公式サイトにて、金利相当額・価格調整額・配当相当額それぞれの履歴が公開されています。口座を持っていない方でも閲覧可能。
上記画像は金利相当額・価格調整額の履歴を表示した画面です。1ロットあたりの金額が表示されています。金利相当額・価格調整額はポジションを持ち越すと日々発生。表内では各銘柄の通貨で表記されていますが、実際に付与されるのは円換算された金額です。
これは配当相当額の履歴になります。こちらも1ロットあたりの金額が表記されており、各銘柄の通貨で表示されていますが実際には円換算して付与されます。
OANDA証券のルール・確認方法
調整額に関するルールについて
OANDAでは株価指数CFD・商品CFDの取引が可能。株価指数CFDでは「ファイナンシングコスト(金利相当額)」と「配当相当額」が発生、商品CFDでは「ファイナンシングコスト(金利相当額)」のみが発生します。
ファイナンシングコスト(金利相当額)は株価指数・商品ともに、日をまたいでポジションを保有した場合に日々発生します。算出方法は以下の通り。
株価指数CFDで発生する配当相当額は、配当があった日にポジションを持ち越した場合に発生します。買いポジションの場合はプラス、売りポジションの場合はマイナスとなります。
調整額の確認方法について
OANDAは公式サイトにてファイナンシングコスト(金利相当額)・配当相当額の履歴を公開しています。口座を持っていない方でも閲覧が可能です。
上記画像は日経株価指数225のファイナンシングコスト(金利相当額)の履歴。
株価指数CFD ファイナンシングコスト カレンダー(OANDA公式サイト)
こちらはUKOIL(北海ブレント原油)のファイナンシングコストの履歴一覧です。
OANDAの履歴では日経225や原油を含め、全銘柄の履歴の閲覧が行えます。
商品CFD ファイナンシングコスト カレンダー(OANDA公式サイト)
配当相当額はカレンダー形式で見やすく履歴がまとめられており、月別の合計金額も見ることができます。
株価指数CFDの配当カレンダー・過去実績(OANDA公式サイト)
CFD取引の各種調整額に関するよくある質問
- CFD各社の価格調整額や金利調整額などのルールは?
-
各種調整額のルールは業者によって異なり、銘柄によっても違いがあります。例えば「GMOクリック証券」の場合、日経225などの株価指数であれば、価格調整日をまたいで建玉を保有した際に、価格調整額が発生。同社の金であれば、日をまたいで建玉を保有した際に金利差調整額が発生します。CFD各社の調整額のルールを表にまとめていますので、そちらもご参照ください。
- CFD各社の各種調整額の確認方法は?
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これも業者によって異なります。「GMOクリック証券」の場合は、取引画面内にて過去の調整額の履歴を閲覧可能。「IG証券」の場合は、取引ツール内にて保有建玉に対して発生した調整額の履歴を確認できます。詳細は以下の解説をご参照ください。
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