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【完全版】FXの出来高を確認する方法!重要性や通貨ペアも解説!
「FXの出来高を確認するにはどうすればいい?」
「FXの出来高って意味がある?」
こう思っている方も多いのではないでしょうか。株式相場では多くの人が重要視している出来高ですが、FXではそれほど多くのトレーダーが出来高に注意を払っているわけではありません。
もっとも、FXにおいても出来高を把握しておくとトレードの幅が広がることは間違いありません。そこで、この記事ではFXの出来高について、その意味や重要性、確認しておきたい通貨ペア、確認方法について詳しく解説していきます。FXの出来高を把握して日々のトレードに生かして頂ければ幸いです。
FXの出来高とは
出来高とは一言でいえば「取引量」のことをいいます。FXでは、売り注文と買い注文の2種類がありますが、この2つの注文がぶつかった数量が取引量です。常に売った数量の分だけ買う人がいることで取引は成立しています。この売買取引が行われた数量のことを出来高(取引量)といいます。
出来高が重要視されるのは主に株式取引においてです。株式取引は市場に参加している全員が取引所に注文を出すことによって取引が成立する「取引所取引」が行われています。つまり、1つの銘柄に関して全体の出来高を把握することができます。
一方、FXにおいて出来高はあまり重要視されていません。なぜならば、FXは基本的に「相対取引」で行われるからです。相対取引とは、銀行と銀行、FX会社とトレーダーというように2者間で完結する取引のことをいいます。
<インターバンク市場とFX会社での相対取引の図>
相対取引では、価格・数量・通貨の決定は当事者間の合意によって行われます。為替は世界中の銀行が相対取引で売買を行っており、その数量は株式相場と比べものになりません。これらの世界中の銀行同士の相対取引の取引量を把握することは、ほぼ不可能です。
さらに、通常、FX会社と個人トレーダーの取引は銀行間取引市場(インターバンク市場)の外で行われます。FX会社と個人トレーダーの市場外での取引(店頭FX)も相対取引で行われるため、その取引量を正確に把握することはできません。
これが、FXの出来高を正確に反映した統計データを取ることは難しいといわれている理由です。全体の出来高が把握できなければ、相場分析の役に立たないと考えるトレーダーが多いためFXでは出来高があまり重要とされていません。
FXの出来高は本当に意味がないのか。その重要性について
では、FXにおいて出来高は本当に参考にならないのでしょうか。たしかに、株式取引と比べれば重要度は下がるかもしれません。しかし、下記で紹介しますが国内FXの出来高は金融先物取引業協会や日本銀行のHPから確認できます。
さらに、世界最大規模の先物・デリバディブ市場を提供しているCMEグループも各通貨ペアに関して出来高データを提供しています。全世界の出来高を把握することはできませんが、見ることができる出来高データを参考にするだけでも、各通貨ペアの相場予測に役立ちます。
特に、CMEの「インターナショナル・マネタリー・マーケット(IMM)」が毎週金曜日に発表している先物取引のポジションは非常に参考になります。IMM通貨先物ではヘッジファンド投機筋のポジションも示しており、ロングもしくはショートが極端に溜まっている場合、その逆方向に相場が動く可能性があるとされています。
例えば、円売りのポジションが半年や1年といった長期スパンで溜まっていき、一定の水準を超えた段階で決済が入り巻き戻しの動きが起ることで円買い(米ドル円であれば米ドル売りの円買い=下落)という動きになるということです。
OANDA証券ではIMM通貨先物を分かりやすくグラフ化したデータを公式サイトで公開しています。
このデータは口座開設していなくても誰でも閲覧可能です。このデータをみればネットポジション(買いと売りの差)で円が売られていることが分かります。
OANDA証券:IMM通貨先物ポジションの推移チャートはこちら
こうした機関投資家の大きな流れは長期的なスパンで継続する傾向があります。相場の大きなトレンドを把握する際に活用できるのがIMM通貨先物のポジションです。
FXの出来高では正確な統計を取ることはできませんが、公表されている数字から相場の大きな流れを掴むことが可能です。こうした意味でもFXの出来高は参考にする点が多い指標です。
FXの出来高を確認すべき通貨
参照:公益財団法人 国際通貨研究所(2022年 BIS世界外国為替市場調査について)
FXの出来高の重要性が分かったところで、次は出来高を確認しておくべき通貨はどれなのかを解説します。外国為替市場の通貨別取引額シェアは国際決済銀行(BIS)が3年おきに発表しています。
2022年10月発表の数値では、米ドル:44.2%、ユーロ:15.3%、日本円:8.3%、英ポンド:6.5%です。この数値からみても、やはり米ドルが圧倒的なシェアを占めており、ドルストレートの通貨ペアは出来高が多い傾向にあります。
その他でも、ユーロや日本円、ポンドなどが主なシェアを占めている通貨となっており、これらの通貨を絡めた通貨ペアは世界中で活発に取引されている通貨ペアです。
特に、ユーロ/米ドル、米ドル/円、米ドル/ポンドは通貨ペア別のシェアでトップ3を維持し続けています。この3通貨ペアは取引しているトレーダーが多いため、出来高を把握しておきたい通貨ペアです。取引数量が多い=流動性が高い=取引しやすいということであり、FXに適した通貨ペアといえます。
FXの出来高は時間帯によって変わる
株式相場と違い為替相場は24時間動いています。そして、世界でも取引量が多い3つの為替市場があります。その3つがロンドン市場・ニューヨーク市場・東京市場です。もっとも、株式と違いFXでは証券取引所のような市場があるわけではなく、個々の金融機関やトレーダーがその時間帯に活発に取引をしているためロンドン市場やニューヨーク市場と呼んでいます。
<各市場の時間帯>
この3つの市場はそれぞれにオープンしている時間帯が違い、それぞれの時間帯毎にロンドン時間、ニューヨーク時間、東京時間と区別されています。東京時間は【8:00~16:00】、ロンドン時間は【15:00~翌2:00】、ニューヨーク時間は【21:00~翌6:00】です。もっとも、FXではこの時間が厳密に決められているものではなく、あくまでも各国のトレーダーがこの時間帯に活発に取引しているという目安です。
この3つの市場の中で最も取引高が多い市場はロンドン市場、次いでニューヨーク市場です。この2つの市場の時間が重なる間はFXの出来高が大きくなる時間帯です。また、各マーケットオープン時も取引量が多くなる傾向にあります。
一方、これらの時間帯以外はマーケット参加者が少なくなるため流動性は低下します。その他にも、マイナー通貨や重要な経済指標発表前、各国の祝日、クリスマスや年末年始にかけてもマーケットの参加者が少なくなるため出来高も少なくなります。
出来高が少なくなれば、値動きが激しくなる傾向がありトレードが難しくなります。FXの出来高は現在の相場状況を客観的に把握するためにも役に立つ指標です。
FXの出来高を確認する方法
では、次はFXの出来高を実際に確認する方法について紹介していきます。各データはあくまでも提供している機関が把握している出来高データなので、すべての取引数量を表しているわけではない点に注意が必要です。
金融先物取引業協会:店頭FX月次速報
金融先物取引業協会の店頭FX月次速報では、日本国内50社以上の店頭FX出来高を月単位で確認することができます。売り・買い建玉数量や主要通貨建玉、通貨ペア別取引金額なども分かります。
月次概況では、月毎の出来高や前月比の増減、未決済ポジション残高なども確認可能。この数字で日本国内のFX会社での大まかな出来高は把握することができます。
日本銀行:外国為替市況
日銀が発表している外国為替市況では東京外為市場における取引状況を確認できます。日次と年次の2種類があり、日次では前日分の東京外為市場におけるドル円、ユーロドル、ユーロ円の出来高を確認することが可能。この出来高は前営業日のブローカー経由取引分(店頭FXの出来高)を示した数字です。
東京金融取引所:TFXヒストリカルデータベース【くりっく365】
東京金融取引所のTFXヒストリカルデータベースでは、くりっく365で取り扱っている通貨ペアの出来高を確認することができます。下記リンクから東京金融取引所の公式サイトに飛び、サマリーデータに出来高を確認したい通貨ペアと期間にチェックを入れると出来高が閲覧できます。CSV形式でダウンロードも可能です。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME):通貨ペア別出来高
上記で紹介した方法はすべて日本国内の外国為替取引の出来高です。一方、CMEグループは世界屈指の先物・デリバティブ市場を提供している会社で、為替だけでなく債券や株価指数などすべての主要なアセットクラスで国際的なベンチマークを提供しています。FXの出来高に関しても、元となるデータ量が圧倒的に違います。下記リンクから米ドル円やユーロ円、ユーロ米ドルなど主要通貨ペアの出来高が月単位で確認可能です。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME):IMM通貨先物ポジション
CMEの一部門であるIMM(International Monetary Market=国際通貨先物市場)では、ヘッジファンドの投機筋が保有しているポジション数量を確認することができます。ヘッジファンドは個人トレーダーとは比較にならないほど莫大な資金を動かしており、そのポジション動向を知ることで相場の方向性を予測する参考にすることができます。正確には出来高ではありませんが、実際のトレードに役立つ情報です。
IMM通貨先物ポジションの最新情報はCFTC(Commodity Futures Trading Commission=米商品先物取引委員会)のサイトで確認できますが、すべて英語表記です。国内FX会社のセントラル短資FXの公式サイトで日本語表記でグラフ化したデータを見ることができます。
【TradingView】出来高インジケーター
TradingViewは今、人気を集めているチャートツールですがFXの出来高もインジケーターとして表示できます。
インジケーターの検索画面で出来高と入力すると様々な出来高に関するインジケーターが表示されます。
TradingViewは無料でも利用できるツールですが、無料プラン(Basic)ではインジケーターが最大2個しか表示できません。
この点、もっとも基本的な出来高インジケーターは表示制限数にカウントされないので無料プランの方でも制限を気にせず使えます。
TradingViewで出来高インジケーターを表示する方法はこちら
その他にも、ネット出来高や出来高オシレーター、アップ/ダウン出来高など色々な出来高インジケーターを利用可能です。
また、下記でも紹介しますが「出来高プロファイル」というTradingView独自の出来高分析機能も搭載しています(※有料プラン限定)。
シカゴ通貨先物のポジションをチェックするならTradingViewが便利!
TradingView(トレーディングビュー)では、有志のプログラマーが公開しているコミュニティ・スクリプトにてシカゴ通貨先物のポジションを表示することができます。
インジケーター名は「r_COT(Commitment of Traders)」です。毎週金曜日に発表されるシカゴ通貨先物のポジションを表示させながら米ドル円のチャート分析ができるため非常に便利です。
無料プランでも利用できるのでシカゴ通貨先物のポジションを確認されたい方はぜひお試しください!
FXの出来高の代用として使える取引ツール
上記では日本国内や海外の取引所の出来高を確認する方法を紹介しましたが、実際にトレードに生かすにはデータを分析して解釈する必要があります。
「データは確認できたけど、分析するのが難しい」という方も多いのではないでしょうか。国内FX会社の中では出来高の代わりとして使える取引ツールを提供している業者もあります。ここでは、出来高の代用として使える便利な取引ツールをご紹介します。
【TradingView】出来高プロファイル
トレーディングビューでは出来高の代わりとして使えるテクニカル指標が搭載されています。
それが「出来高プロファイル」です。ここでいう出来高とはレートの更新頻度(ティック数)のことをいい、レートの更新頻度が多い=値動きが活発=出来高が多いと仮定して指標を表示しています。
株式相場の出来高では、取引数量と価格の値動きで分析するのが一般的ですが、TradingViewの出来高プロファイルでは、価格帯毎に出来高をヒストグラムとラインで表示してくれます。
中央に引かれる水平線はPOC(ポイント・オブ・コントロール)とよばれ、計算期間の中で最も出来高が集中するラインです。このラインはレジスタンス・サポートの両方として意識されるラインです。
トレンドの転換点や相場の節目となるレートの目安にできるため、ポジションを持っていれば利確や損切りの目安として実際に活用することができます。別記事で詳しくまとめているので、気になる方は別記事をご覧ください。
TradingView出来高プロファイルのトレード手法、使い方を解説!
出来高プロファイルをYouTube動画で解説中!
FXキーストンの公式YouTubeチャンネルで出来高プロファイルを解説しています。
種類や見方、具体的なトレード手法まで詳しく解説しているので、ぜひご視聴ください!
Premium限定!出来高に時間的要素を加えたマーケットプロファイル
出来高プロファイルは純粋に価格更新のみに焦点を合わせたインジケーターですが、TradingViewではさらに時間的要素も加えたマーケットプロファイルが利用できます。
マーケットプロファイルはもともと先物市場で使われている相場分析方法の1つ。TradingViewではFXでも使えるように独自の仕様となっています。
出来高プロファイルに横軸の時間経過を加えることで、また違った角度から重要な価格帯を割り出すのに有効です。Premiumプラン限定の機能ではありますが、こちらも要チェックです。
【OANDA】オープンオーダー・オープンポジション
世界各国に拠点を置き、全世界で100万人以上のトレーダーが利用しているFX会社である「OANDA(オアンダ)」。オアンダでは、オアンダを利用しているトレーダーのポジション比率が分かるサービスを提供しています。
オープンオーダーは指値/逆指値のポジション比率を表します。指値・逆指値のポジションなので、「このレートになれば買いを入れる」「このレートになれば売りを入れる」といった将来の値動きに対するトレーダーの対応を確認することが可能。
一方、オープンポジションは過去に保有し、現在含み益もしくは含み損が出ているポジションの比率を表しています。現在保有しているポジションなので、これからの値動きによって利確や損切りの動きが出る可能性を予測することができます。
オアンダは日本国内だけでなく世界中のトレーダーが利用しているFX会社です。オープンオーダーやオープンブックで極端な偏りが確認できる場合、今後の値動きの参考に使えます。詳しくは別記事で解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
FXのポジション比率・売買比率・注文情報を公開している会社を一覧比較
Check!!
OANDAの株価指数CFDでは板情報が見られる!
オアンダが新しく始めた株価指数CFDでは、DOM(Depth of Market)と呼ばれる板情報を確認することが可能です。DOMはオアンダで取引しているトレーダーの価格帯毎の注文数量を表示する機能。
売り買い双方の価格と数量が板情報としてチェックできます。株式で見る板情報と同じ感覚で株価指数CFDが取引できる優れモノ。
DOMはオアンダのMT4/MT5の「MiniTerminal」というツールで表示できます。株価指数CFDをされる方はぜひ注目を。これまでとは違った視点から相場の分析ができます。
【外為オンライン】ディールスコープ
FXの最新情報やセミナーに定評がある外為オンラインでもトレーダーの売り買いのポジション総額や人数推移が分かる「ディールスコープ」というツールが利用できます。ディールスコープでは、外為オンラインを利用しているトレーダーの売買ポジション数量と人数がグラフ化されています。
把握できるのは外為オンラインを利用しているトレーダーのポジション数量と数だけなので、数字自体はそれほど参考にできませんが、外為オンラインのディールスコープは実際の為替相場と逆相関の動きをすることが多い指標です。
外為オンラインを利用しているトレーダーは大半が日本人であり、日本人投資家に特有なのが「逆張り」です。為替レートが上昇すれば、ディールスコープは下落するという逆相関の動きをすることが多いため、相場の動きを予測する1つの参考にすることができます。
FXの出来高を理解してトレードの幅を広げよう
FXの出来高に関して色々な角度から紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。FXの出来高は正確には把握しきれないものの、IMMの通貨別先物ポジションやTradingViewの出来高プロファイルなど、トレードの参考にできる情報はたくさんあります。得られる情報をどれだけ活用できるかどうかはトレーダーの腕次第です。この機会に、FXの出来高を理解してトレードの幅を広げてみてくださいね。
FXのポジション比率・売買比率・注文情報を公開している会社を一覧比較
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【FXキーストンオリジナル】出来高加重平均値(VWAP)MT4インジケーター無料公開中!
FXの出来高の代わりにティック数(ボリューム)を代用したMT4インジケーターです。ティックとは、細かい1つ1つの値動きのことで価格が変動した際に更新される取引の最小単位のことをいいます。厳密には出来高(取引高)ではありませんが、売買が盛んに行われている=価格の変動が起きやすいという仮定のもとティックで代用したインジケーターです。メルアド登録不要、無料でダウンロードして頂けます。